2011年06月01日 (水)

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以下、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』
及び『八日目の蝉』のネタバレを若干含みます。

映画が 1,000 円の日なので映画見てきました。
『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』と『八日目の蝉』の 2 本。
前者は 3D 上映もやってたけど正直飽きたので 2D 版。
ボードの空席状況を見る限り 3D 版より 2D 版の方がお客さんの入り良かったみたい。
結局 3D は永遠の一発屋なのかも。みんな忘れたころに復活して、そのうち飽きられて。

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉 [★★★☆☆]

前作『ワールド・エンド』が(個人的)首を傾げる出来で不安だったけど、面白かったス。普通に。
そしてこの“普通に面白い”は具体的に書くのがすごい難しい感想で。というか具体的に書くのが難しいから“普通に”等という曖昧な表現になるわけだし。だって普通なんだから書くことないよね。“安心のディズニークォリティ”で感想文を終わらせたい気分。

今作に於いてキャプテン・ジャック・スパロウの存在感は薄く。アンジェリカの罠にハマって航海に連れ出されただけ。彼にはどうやら生命の泉の機能そのものへの執着がないから、やってる事は終始黒ひげの使い走り。見せ場も序盤の馬車チェイスとダイブ x 2 と vs. アンジェリカ、くらい。と、スペイン艦隊に捕らえられた際の縄抜け。
では誰が主役かと言うと、ヘクター・バルボッサ。彼の目的・手段は単純明快。これぞ海賊。あとラスト近く、『英国王のスピーチ』でのアナタはどこへ行ってしまったの;; と思わず笑ってしまう演出が。意識した脚本なのかどうなのかは判んないけど。
第三勢力として描かれるスペイン艦隊もなかなかに格好良いス。と言うか彼らの勝ち。基本海賊達の話なだけあって欲望がストーリーの核となってるところに、あの言葉。あれで全部持ってかれたような気が。

生命の泉でのシーン。……ジャック・スパロウなら何か企むのでは、と考えない? ジャックの言うことをそのまま信じて黒ひげがそちらを手に取るとは思えないんだけども。あそこもうひと捻り欲しかったかなー。
人魚さんが沈んだカップを取ってきた動機もいまいち。言葉通り涙を無駄にされたくなかった?
アンジェリカ。ジャックは彼女を「相当のワル」だと。それ踏まえるとこれら全てアンジェリカの計算なのかも。人魚の涙 get 作戦も彼女の策だし。だからこそジャックはああした。けどそこにあれが漂ってきて ―― to be continued 。
……というのはエンドロール後に流れたシーン。らしく。
わしはこのあとすぐ『八日目の蝉』だったからロールの途中で出ちゃって、実はここ見れてないんですよね。一生の不覚。……いや、いつもは最後まで見るんだよ! ほんとだよ!

八日目の蝉 [★★★★☆]

わしは映画でも小説でも何でも、ちょっと“泣き”の要素入れられると制作者の思惑通りに泣いちゃう超泣き虫ですが、ある特定の“泣き”にだけは絶対的な耐性を備えておりまして。
それがこの『八日目の蝉』に込められた“泣き”。
「そんな普通じゃない家庭環境で育ったらそうなっちゃうよね;; かわいそう;;」系。
なので全く泣けませんでした。

誘拐犯・野々宮希和子を精神的に追い込んだのはたしかに主人公の母親・秋山恵津子の言葉。でもそれは恵津子の勝ち気な性格故。過去のシーン見るとパーマかけてたりするしね! 時代を感じます。しかし、そもそもこれはオスの取り合い。綺麗事じゃ済みません。その程度で追い込まれるくらいなら人ん家のオスに手を出しちゃいけない。その点では希和子に覚悟が足りなかった、と言えます。
恵津子は、恵理菜(主人公)を希和子から取り返したあとその性格が災いし、「この子を愛したい・愛されたい」より「あの女に負けたくない」が先に来てしまったのでしょう。それで余計ヒステリックに。希和子が真逆の穏やかな性格だったこともあって幼い恵理菜は大いに混乱したと思われます。そりゃ子供は優しい方を母と思いたい。当たり前。なので恵津子に我慢が足りなかった、とも。

この作品、恵理菜の父親・秋山丈博に驚くほどスポットが当たっておらず。ほぼ空気。
だから希和子や恵津子に「どうしてこうなった」の原因を探してしまいます。上のように。
こうすることで「秋山丈博が、全部男が悪い!」という結論を強く印象づけようとしてますな。
この演出は実に巧い。

千草役、小池栄子さんのお芝居は必見。
むしろ泣くとしたら恵理菜に対してじゃなく彼女に対してだと思います。
「気が遠くなる」「どうして普通に育ててくれなかったのかな」には陥落しかかったス。こらえたけど。
ああまでウザいのはなるほど、彼女も八日目の蝉だから。
なんでこんなウザいのを恵理菜はすんなり受け入れられたのか、もよく判り。

でも、結局のところ八日目の蝉云々は彼女たちの思い込み。
自分らは普通じゃない環境で育ったからかわいそう;; って傷を舐めあってるようにしか見えませんでした。正直。

父親の不倫。母親の蒸発(しかも姉だけ連れて)。自分は親戚や祖母の家をたらい回し。学校の給食費や、お世話になってる家の財布を盗み平気で嘘をつく 6 歳児。そりゃそんなん持て余すよね。家出も何度か。父親の連れてきた新しい母親との関係。存在に慣れたと思ったら蒸発した母親からのコンタクト。親権がどーとかこーとかでいきなり元々の母親の家へ。んで今度は新しい父親との関係。つかこいつすごい殴るんだが?

でもわしは普通です。
環境じゃなくて意志だと思う。そして彼女たちには普通になろうという意志が足りなかった。そんだけ。

あ、映画は面白かったよ!
わしは上の通り、主人公の弱さが気にくわないけど。
「母親って普通 1 人なのに、自分にはなんと 2 人いる! ラッキー☆ って思おうぜ!」と幼い恵理菜に誰か言ってあげて下さい。わしはそれで救われました。